“jk”school

2018/生きている/夏目/ 緩急自在

私が軽視した結果(悪)

(未維/心)今、私たち家族は沖縄旅行の帰りで飛行機に乗っています。
(未維の父)帰ったら、お父さんとキャッチボールでもしないか?いつになるのかは分からないけれど。
(未維)お父さん 、帰ったらやるんじゃないの?帰ったら。
(未維の父)行き先は分かっているんだな?道筋が。ゴホン!何でもないよ。
(未維)お父さん、不安でもうここから降りたいよ...
(未維の母)帰ったら自由に友達と誰もいない公園に行けるといいね、誰かいた公園に。
(未維)その場で嘔吐(応答した状況の)
(未唯の父)誰かいた公園の
(未維の母)スチュワーデスの方、この子の溢した物を適当に片付けてくれませんか?
(スチュワーデス唯一人)分かりました、失礼いたしました。
(未維)臭くて仕方ないよ..
(未維の父)お前は帰ったらもっと臭くて途方もry
(スチュワーデス唯一人)お客様の件で1つ感づきました、とても悲しくてやりきれないです。
必死に汚れを拭き取るスチュワーデス。
(未維の父)スチュワーデスの貴女はそこに気がついてしまったんだね?君は転がって終わりだよ。

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悲しくてどうしようもない空気が気付いた人間の中にだけ流れ込んでいる。

軽視、四角、苦労、鬱血、追試、死角。

血の通った乗客には嬉しいはずの空気は漂っているのか。

(未維の父)未維、後は寝て待つといいよ、辛かったらお母さんに尋ねなさい。

---------60分後----------

(スチュワーデス唯一人)間もなく本機はtokyoに着陸いたします。シートベルトはまだ緩めずにお待ち下さい。

(未維の母)間もなく着くみたいよ、外ばかり見てると...
(未維の父)未維、庭で早くキャッチボールしたいな

東京到着。
足早に帰る乗客達と、何かを悟ったような落ちついた様子で日傘を差しながら帰る3人。雨は降っている訳でもないのに。

(未維の母)今日の晩御飯はすき焼きよ。肉はもう買ってあるから後は楽ね。
(未維の父)未維楽しみだな、一応隣の人に挨拶しておくといいよ、『一緒に行ってきました、旅行に旅客機でって。』
(未維)沖縄行ってきたって付け足すのは?

呆然とした空気。

数日経った後の家庭。
(未維の父)お父さん、訳あって広島県に出張に行く事になったから、後は分かってると思うけど。
(未維の母)お父さんと離れ離れになるのは寂しいけど仕方のない、逃れようのない事なのよ。私も辛いよ、また家族で集まって食事出来ないのは。
(未維)きっとまた食事出来るよ。

何故だか涙が出てくる帰り道。
ふと見知らぬ人に手品を見せてあげるからと誘われ、教室のような所に入った。手品使われているのかな、教室かどうかもわからない。そこには、横向きで棒立ちした人がいた。

怖さのあまり何も喋れない。
(見知らぬ男、長いのでmoと呼ぶ)
mo/もう心肺はいらないよ、この前未維のお父さんに会って話をつけてきた。君はこれから死刑だ。死刑確定だ。死刑っていうのは、ひとつの命が終わることを指していて、お父さんやお母さんとも二度と会えない。こんなこと言いたくないけど、あと30分もしたら君はあの世だよ。そんな君に対して自分は生き続ける。何度も言わなくても君は純粋だから死の重みが痛いくらいに分かっているだろう。そんな君に対して僕は死なないから何も分からない。君が生きているうちは。君が死にゆくのに僕は平然と生きていられる。何故だかわかるかい?この世が不条理だからだよ。

(未維)私はまだ小学生なのに、お父さんやお母さんも生きているのに。涙が止まらない。うぇーんうぇーん!
(mo)wayなら何処にでもあるよ、死んでから探しなさい。
まずは此の教室を出て、↔になっているところを左に行って、突き当たりのところにほら、換金所みたいな所があるからそこで手の甲に『軽視』って描いてもらえば後は気楽だから。

ショックが積み重なり、自分じゃいられない。
何が善で惡なのかもわからなくなりそうな恐怖感に襲われている。

(未維)えっと、ここを出て突き当たりを右だったかな、さっきの人まだいるけど横に立ったままで話しかけにくいな。矢印が↔になっていてわからない。

矢印も何も示さないどころか、私が言っていいのだろうか、左側にいる換金所のような人の姿が見えない。

誰かが手の甲に描いてくれることになっているみたいだけど、換金所って言われてた所じゃないな...

殺気だった左と右の。私はまだ生きていたいのにとスチュワーデスであった人の幻聴が聴こえる。

そして伝えようとしているのか、お父さんが真上から降ってきてるような気がして可笑しくなってしまいそう。
(未維)左と右を同時に意識してたら、また同じ教室に来ちゃった。
(mo)ここにもう一度君が来たということは死刑から逃れたいからかな?どの道も死刑への道程であることは紛れもない事実だよ。

(未維)(土地狂って)、エレベーターに乗せてください、下に行くための!

(mo)この教室を出て突き当たりを左に行ってほら、換金所が見えてくるだろ?そこでelevaterと英語鉛の言葉を...んー君には分かりにくいから『選べた』とだけ伝えなさい。

(未維)さっきの所、ちらっと見たら換金所の狭いスペースから隣のおばさんが真上を見上げるような姿勢で居たけどあそこかな?死にたくない、おばさんなら助けてくれるかな。

歩きだして直ぐ。おばさんが要るであろう換金所らしきところに繋がる直前、足下の床がぱたりと音をだして抜けた。

そのさきはもう覚えていないと、後に離婚することになった、一人の少女の親は応えた。
そのさきは覚えているとmoは告げた。
『隣のおばさんの息子にレイプされて八つ裂きに』

去れたと。